司法制度改革を考える

司法関係の新書を3冊まとめ読み。

  1. 瀬木比呂志『絶望の裁判所』、講談社現代新書、2014年。
  2. 森炎『司法権力の内幕』、ちくま新書、2013年。
  3. 新藤宗幸『司法官僚 裁判所の権力者たち』、岩波新書、2009年。

前2冊はつい最近出版された元裁判官による告発書。最後の1冊は、行政学者による分析。

3の手堅く分厚い記述は圧巻ですね。最高裁事務総局による裁判官の統制の仕組みがよくわかる。情報密度がハンパない。これで新書とかありえない。下手な専門書出る幕ない。(意味はないけど、韻を踏んでみた)

最高裁事務総局の権力の源泉は、人事権と(裁判官会同・協議会を通じた)法令解釈や訴訟指揮に対する統制。もちろん、建前としては裁判官は独立しているし形式的な制度上もそうなっているのですが、個々の裁判官が最高裁の意向をくみ取って自発的に従ってしまうようなインセンティブ構造を巧みに作り出している。という感じですね。

この著者の他の本も信頼おける内容だろうことは確実。ファンになりましたわ。でも、それだけに読みやすくはない。

 

1と2は、それぞれ元裁判官の本だけど、スタンスは正反対。1は「最高裁事務総局があかんねん」という意味で3と共通するスタンス。2は反対に「最高裁事務総局を叩いてもあかんねん」というスタンス。正直、2のスタンスは説得力なくて、この本を読んでも「やっぱ悪いの事務総局やんね」と思いました。ただし、裁判官の自己欺瞞的なあり方というか、直接の指示命令を出すわけでもないのに裁判官が規律にしたがっていくメカニズムについての分析は、それなりに読ませます。

 

共通しているのは、どっちを読んでも絶望できる、ってことかな。

What a Fuckin' court !!